2007-12-14から1日間の記事一覧

〈積善余慶〉言説の「言説」をどう理解したらいいのでしょう

discours(ディスクール)でいいでしょう。表層的内容、形式などには異同があっても、必ず易の坤卦の予言を内包する散文、程度に理解しておいてください。この場合、体制的構造を強化するというより、構造に組み込まれたテクストに訴えて新たな現実を構築す…

『春秋』には予言が含まれていると考えられていたとのことですが、それでは作者とされた孔子も予言をしていたのでしょうか。

孔子自身は予言をしなかったでしょう。彼は晩年『周易』も学んだようですが、あくまで宇宙の変化する理法を研究したものと考えられます。しかし、「快力乱神を語らず、で、孔子は論理的なものしか扱わなかった」という近代的解釈には反対です。儒教のなかで…

街などでみかける占い師のような人は、中国にも存在したのでしょうか。手の中に宇宙を作り出すとありますが、それを道端で行うのには不信感があります。

『史記』日者列伝によると、都市には、ト占を生業とする者が店を出す場所があったようです。戦国末期の「包山楚簡」からは、クライアントの将来の災禍を占いその対処法を提示する専門ト占集団の存在が推測されており、公以外のところでもト占職能者が活躍し…

筮儀を行う回数は明確に決まっていたのか。

殷代の亀トは、甲骨ト辞によると、例えば五回占って最もよい結果を採る、といった方法が実践されていました。殷代の末期には、三人で亀トをなし多数決で結果を決める三ト制が始まりますが、この方法は『尚書』洪範にも明記されて易へ受け継がれたようです。…

珂瑠皇子の帝王教育のため「善言」が集積されたとありましたが、具体的にどのような教育が行われたのでしょう。そのなかには占いも含まれたのでしょうか。

『善言』が関係するのは、中国的(儒教的)君主観に裏打ちされた徳を高めるための教育でしょう。善言とは仁・義・礼・智・信の五常、孝や忠といった儒教的美徳の表れた発言でしょうから、それらを勉強することで背景となる社会秩序、君主の役割を理解し、徳…