2010-04-12から1日間の記事一覧

浄土宗の学校を出ているので、浄土宗関連のことも学びたいと思っているのですが、上智でもできるでしょうか?

ぼくも一昨年は、縄文時代から平安浄土教に至る日本の他界観の成立過程を論じましたので、開講はしていませんが質問には答えられると思います。その他、神学やキリスト教人間学の先生方で、仏教に詳しい方もいらっしゃいます(高山貞美先生など)。ぜひ探し…

関東と関西における骨上げの違いは、宗教的なことが原因となっているのでしょうか。

様々な原因が考えられますが、ことは宗教的な問題だけに止まらないかも知れません。関西と関東では、実は自然環境の様相も微妙に違います。例えば植生ですが、関西は朝鮮半島南部から中国雲南省などに至る照葉樹林帯、関東は半島北部へ連なる落葉広葉樹林帯…

「死者を扱う歴史学」というお話がありましたが、例えば現存する美術品などを対象とする美術史は、どういった視点で捉えればよいと思いますか。

美術「史」のアプローチとしては、大きく分けて、作家個人に注目してその成り立ちを探る作家論と、時代的・社会的背景に注目する作品論とがあると思います(象徴的分析、図像学的分析も含む)。美術評論ではなく歴史学としての美術史の場合は、後者が盛んで…

高校時代は、学校のカリキュラムの関係で、日本史は近代・現代しか勉強していません。古代史が理解できるか不安なのですが、高校の教科書等からでも多少なりとも知識を補足しておくべきでしょうか。

もちろん、高校の教科書(たぶんこちらの講義で扱うのは、その数ページに過ぎないでしょう)や、シラバスに挙げた参考書を自分なりに読み進めてゆくというのもひとつの方法です。しかし、とりあえず講義をしっかり聞き、分からないことを事典や用語集などで…

直前の3時限に受講した保坂先生の「西洋史特講」で、西洋古代史を専攻している日本の学者には、文献学・古典学的な視点が稀であり、社会史や経済史、政治史に研究が偏ってしまっているという話がありました。日本史でも同様なのでしょうか? ただ史料の真偽判定をするだけでなく、その編纂意図にまで踏み込んで、偽書のような史料も積極的に用いようとすると、相当慎重にやらないとトンデモ歴史学になりそうです。日本古代史で文献学的視点に立った良い参考書はありますか?

日本古代史では、むしろ文献学的視点が主流であり、基礎であるといっていいでしょう。それは古代史に限らず、日本史分野全般においていえることかも知れません。それは、江戸時代の極めて精緻な漢学、文献考証学の視点を受け継いでいるからです。近年の『日…