2010-04-23から1日間の記事一覧

人間が自己を認識するために異質なものとの関わりを作る、とのことでしたが、異類婚姻では両者の間に垣根を作らないという前提があり、矛盾しているように思われたのですが…。

言語学や認知科学の世界では、あるものを同定しようとする場合には、他の物との差異化が必要であるといわれます。人間が獣を獣として認識したとき、自分たちがヒトとして立ち現れてくる。あるいは逆に、自分たちをヒトと認識したときに、獣は獣として姿を現…

東巴はどのように選ばれるのでしょう。なりたければ誰にでもなれるのですか。また、死の儀式などはどのように行われるのでしょう。 / アニミズムでは、動物の魂=人間の魂という考え方が成り立つと思うのですが、人間が死んだときにも動物の場合と同じような儀式を行ったのでしょうか。また、その際には人間の魂はどこにゆくのでしょう。

ぼくも勉強し始めたところなので正確な知識ではありませんが、東巴は基本的に世襲の宗教的職能者であったようです。祭署の神話にも登場した、「東巴の祖神」丁巴什羅の存在によってもそのことが分かります。東巴文字の読解、経典の暗誦など、かなりの特殊技…

祭署の写真のなかの白い布は何でしょうか?

署神の寨に巻かれた麻布ですね。あれは、寨の境界を示すとともに、日を跨いで行う祭署などの際、一日の次第が終了した後、署神にお休みいただく、お眠りいただくために用いるようです。翌朝祭祀を始める前には、『鶏鳴喚醒署神』という東巴経を読誦して、署…

署神の成立の年代などが気になりました。また、『捜神記』などに似た話はないのでしょうか。

祭署そのものの成立年代を推測するのは、史料的に非常に困難です。ひとつのポイントは経典を記す東巴文字の成立上限で、これは14世紀頃といわれています。文字のうち「帝王」を示すものが、モンゴル帝国のハーンの姿を写しているため、雲南がその影響下にあ…