2010-05-14から1日間の記事一覧
アジアにおける神は、森羅万象に宿る精霊のうち比較的高次にある程度の存在にすぎません。儒教や道教、仏教などの影響を受けて抽象化・人格化は進んでいますが、基本的な位置づけは変わりません。むしろ、「神と人との関係」という総括的な見方をせずに、個…
娘と妻の名前を出したのはそれほど大きな意味はなかったと思いますが(あえて解釈を付けるなら、武塔神との契約の範疇に「妻」も入れてもらおうとした、ということでしょうか)、息子ではなく娘であったことには幾つか理由が考えられます。ひとつは母系制を…
あります。アニミズムと関連の深い「原始」的宗教形態にマナイズムがありますが、モノが活動するのはマナというエネルギーが宿っているためだと考えるもので、そこでは例えば矢が飛ぶという現象もマナの働きによって説明されます。ところで日本では、樹木に…
民族社会におけるシャーマンは、基本的には「書かれたもの」としての記録を残しません。講義でも述べましたが、成巫譚も、研究者の聞き取り作業によって初めて成立したジャンルなのです。よって、シャーマンの一代記も残っていません。しかし、彼らが王や英…