2010-12-13から1日間の記事一覧

赤や青、緑といった顔料は何から作るのでしょうか。

やまと絵の顔料は、天然の石や貝殻を砕いて作った粉を、動物の皮や骨を煮て作る膠で溶いて使います。青は岩群青(藍銅鉱 アズライト)、緑は岩緑青(孔雀石 マラカイト)、赤には辰砂(硫化水銀)が用いられます。

大臣以上の人間には鉛白、それより下は白土というのは、通例で決められていたことなのでしょうか。 / 顔料の相違など、当時の人々は目で観て分かったのでしょうか。

鉛白/白土の使い分けは、通例として決まっていたわけではありません。『伴大納言絵巻』のオリジナルでしょう。彩色がきちんと残っていれば、白土はやや褐色がかっているように、鉛白はより白くみえます。どの顔料を使っていたかはともかく、肉眼で区別する…

清涼殿の廂部の昆明池障子ですが、このように細部まで描けたのは、やはり後白河院のサロンに属する絵師だからでしょうか。

常磐光長は、最高位従四位下・刑部少輔で昇殿はできました。それ以前は宮廷の画所で絵画制作に住持していたものと思われます。『年中行事絵巻』も光長の作品といわれていますので、彼のもとには多くの資料があったでしょうし、また肉眼で確認することもでき…

絵巻のサイズや一紙あたりの大きさはとくに統一はされていなかったのですか。

宮廷で使用されている紙は、図書寮所管の紙屋院で漉かれていましたので、ある程度の規格は定められていたと思います。しかし、律令や『延喜式』にも、供給量の規定はあるにもかかわらず、寸法の規定はありません。現存する紙の状態から考えると、1尺×1.6尺程…