2011-01-24から1日間の記事一覧

シンデレラ譚の源泉となったという精霊たちの夜の会合ですが、やはり帰らねばならない時間なども設定されているのでしょうか。

たいていは夜明けまで(日の出、もしくは一番鶏の鳴く頃など)、ということでしょう。しかし、不思議な出来事が起きる時間帯の設定というのは、文化によって様々に差異があり面白いものです。例えば日本では、黄昏時のことをオオマガトキ(大禍時・大凶時・…

ユーラシア大陸に半ば普遍的に確認できるシャーマニズムの痕跡、冥界訪問譚などの神話は、アフリカ、南アメリカ、オセアニアなど、伝播しづらい地域にも確認できるのでしょうか。

シャーマンがシャーマンとして覚醒するまでのプロセスを「成巫過程」、それが神話・伝承化したもの、あるいはライフ・ヒストリーとして聞き取られたものを「成巫譚」と呼びます。冥界訪問などのモチーフは、多くこの「成巫譚」に現れます。不勉強なのであま…

『日本霊異記』において、女性は性を超越した清浄な存在として描かれているという説を読みました。これも女性の不浄性を前提にしているのですか。

それは極めて限定された意見ですね。下19の舎利菩薩あたりを敷衍したのでしょうが、中41などには、蛇と交接して蛇の子を産み落とす妄愛の女性も描かれています。『霊異記』が、女性を清浄化して描いているとはいえません。

史料8『唐高僧伝』で、巨大な光明をみたのが「七月十四日」なのには何か理由があるのでしょうか。六斎日などと関係はありますか。

六斎日には、戒律の遵守と懺法が行われますので、これは意図的に日にちを設定したものでしょうね。『霊異記』に同様の表現が出てくるのは、これらを踏襲したものです。

仏教は、無常観を会得することで、死への恐怖を断ち切りたいのでしょうか。

仏教は、六道のなかで生きること自体を「苦」と捉え、その根源に様々な煩悩の作用を見出します。現世の人、物、その他形のない種々の想念に執着するのもそれゆえで、いつかは失われてしまうそれらを引き留めておきたい、しかしそれが叶わないところに苦しみ…

瞑想修行は、習得するまで大変ですか。どのくらい時間がかかりますか? / 瞑想修行は、大乗仏教でのみ行われるのでしょうか。

習得するのが大変かどうかは、個人差があるでしょう。情報過多で注意力散漫になりやすい現代人は、次々と浮かび来る妄念を統御し精神状態を一定に保持するのは、なかなかに困難なのではないかと思います。瞑想修行は大乗だけでなく部派仏教でも行われます。…