2011-06-17から1日間の記事一覧
構いません。自分がいちばん特異な分野で執筆してください。
「亀経」は、卜兆の各部を五行説によって意味づけしてある書物ですので、『新撰亀相記』における卜兆の説明に際して、先例のひとつとして紹介されています。拙稿「中国六朝の『亀経』と神祇官卜部の亀卜法」(東アジア怪異学会編『亀卜』臨川書店、2006年)…
いうなれば、卜占の「政治化」ということになるのかも知れません。戦国時代の複雑な政治情況は、一方で神霊的なものへの希求を強くしましたが、実際の政治の場では、より現実的な知識や臨機応変な対処が不可欠になってきました。政治的顧問の地位も史官や卜…
もちろん、当時の中国には、中原周辺にも多くの遊牧民族がいましたので、それとの関連でも考えることができます。しかし、晋という国自体の文化が、牧畜社会・経済と極めて親しかったとみることもできるでしょう。晋が分裂して生じる三国のうち、北の趙は、…
そんなことはありません。第一、我々がみることのできる史料で、世界を透明に反映しているものなど一切存在しない。すべてが、何者かの主観を介した取捨選択・編集・歪曲の結果として創出されているものなのです。それを様々な他の史料と比較検討し、当時の…
彼らは政治的・宗教的顧問でもありますので、当然意見の食い違いは発生したでしょう。前回取り上げた史蘇の事例にしても、献公に仕えていた卜官は他にもいたのです。彼らのイメージは、ちょうど戦乱期に複数の献策を行うような軍師たちと重なってきます。
殷代のような、ある程度の「卜」字を出す操作は可能ですが、やはり亀甲の種類・質・状態、卜官の技術などによって不特定要素が生じてくることは間違いありません。微細な部分まで類別し図形を確定するようになると、そのひとつひとつに意図的に沿わせるよう…
最初の方の授業でもお話ししましたが、やはり亀に対する特別な考え方が根底にあると思われます。亀甲は天意の現れるものであり、また陰陽和合した宇宙を指し示すものでもある。筮竹に使われている竹もそれなりに神聖なものでしょうが、亀甲のランクには及び…
易姓革命説以降は天命を受けたかどうかが問題になりますが、遡って天命を受けたと想定される夏・殷・周のありようをどう受け継いでいるか、という点も問題になります。漢代以降は天人相関説、災異説が盛んに主張され、自然災害や戦乱などが天違に背いたこと…
中国だけではなく、日本でも実在説をとる研究者はいます。京大の岡村秀典さんなどが代表的でしょう。しかし、中国のように神話や伝説の多くの部分を史実として認めてしまうのではなく、二里頭文化の発掘成果に基づき、殷以前に初期的な王朝国家が存在したと…
『左氏伝』等々の史料をみていると、やはり細かな相違があるようです。『周礼』に掲載されている官職が多彩かつ大部になっているのは、やはり、春秋・戦国諸国の官制を集約して再構成したためだろうと思われます。ちなみに、諸国のうち最も官制の相違が明確…