2012-04-16から1日間の記事一覧
神話は、日本列島の歴史・文化を理解するうえで重要な意味を持ちます。この講義でもさまざまに取り扱ってゆきますが、大切なのは、そこに書かれた内容が、即何らかの歴史的事実を反映しているとは考えないことです。神話がその社会においていかなる役割を担…
大学は、決められた方法で勉強をするところではありません。授業の受け方も、その授業にどういうスタンスで取り組むのかということによって、個々人で変わってくるはずです。ぼくの講義は、お話しする内容を毎回プリントで配付しますので、そのなかにメモを…
別に、高校の教科書を使うのが悪いとはいいません。基本的な知識を簡易に得るうえでは便利かも知れません。しかし重要なのは、それらの記述を疑って読む、批判的に読み込むことですね。なお、大学生としてもう少し高度なものに挑戦したい、ということであれ…
2000年代後半になって、福井県の水月湖を皮切りに、秋田県一の目潟湖など、全国の汽水湖で良質の年縞が得られるようになってきました。年縞とは、汽水湖のような湖水の循環がない沼沢の水底から取れるサンプルで、毎年の堆積物が縞模様をなしているものです…
「なぜか」といわれると困るのですが、弥生時代の後半から現在にかけては、概ね500〜600年の秋期で寒冷化と温暖化が繰り返されているようです。その転換期には、小刻みな気候の変動が起きているらしく、0〜200年頃はそれに該当するものと思われます。
日本列島に住む人間は、時代ごとにその組成を異にします。大陸から日本列島が分化した氷河期の終わり、列島に残っていた人々を中心にしながら、南方諸島や朝鮮半島、ユーラシア北方などからその都度流入してくる人々を加えて、列島の民族社会は構成されてゆ…
現在のものの見方を疑うことです。当たり前だと思われている視点・方法だけでなく、対象のより豊かな性格を明らかにすべく、可能な限りのものの見方を試してみることですね。
確かに、一国史にも様々な利点はあるでしょう。しかし、ぼくは欠点の方が多いと思っています。例えば、「世界史は高校に入ってから学べるので、中学のうちは自国史を」との見解ですが、子供の能力を低く見積もりすぎなのではないかと思います。実際に、1955…
勤務校の方針もあるでしょうから、理想を達成するのはなかなか困難かも知れません。しかし、昨年度もこれらのことを考えるためのシンポジウムが行われたように、上記のような問題は多くの地歴科教員が共有している課題なのです。勤務校で勉強会を開いている…