2015-04-24から1日間の記事一覧
ぼくも毎週観ています。あの作品は、第一次世界大戦で問題化した兵士の心的外傷の問題、大量死の問題などをきちんと表現していたうえ、スペイン風邪の流行までしっかり押さえていたので、安心してみることができました。しかし、ダウントンは世界の縮図です…
おーっ、それは難しいですねえ。精神分析のまねごとになってしまいますが、異性への関心・興味と自性に対する欠落感が同時に生じているようですね。どこかで(無意識的にでも)自性への圧迫感を感じており、それが異性への一種の憧れとなって表現されている…
現在の歴史学では、閉鎖的に考えられていた日本列島でも他世界と密接な交流があった、という位置づけに変わってきています。それでも、常に外敵の侵入に怯えながら、それでも多くの文物を吸収し展開させてきたヨーロッパ、アジアの国々と比べれば、閉鎖的だ…
例えば北魏の廃仏などは、寇謙之という道士の唱える天師道=道教を国教にしようとした崔浩が、太武帝を唆し、廃仏を断行させたという経緯があります。仏教は教線を拡大するために、儒教や道教としばしば論争を重ねてきており、そうした経験の果てに「業病」…
もちろん、圧倒的に差別され、排除される部分の方が大きいですが、例えば中世説教節『小栗判官』が示すように、その救済に結縁することで善業を積もうという意識も存在したようです。『小栗』では、冥界から蘇った小栗が餓鬼阿弥=ハンセン病者の姿となり、…
後にはそういう展開もあったかもしれませんが、もともとは開発の展開が偶発的に病の流行を引き起こし、近代医療が投下されるという方策が採られたもので、帝国側の無策と場当たり的な対処を示しています。しかしその循環のなかで、次第に調和を保っていた病…
多くの医書に書かれ、一般へも流通していました。しかし、高価な医薬を用いる処方は庶民には施せないわけで、その点には自ずから処方の相違が発生してきます。ひとつの病から生まれた処方でも、患者がどのような経済状態、社会的・政治的地位にあるかによっ…
やはり思い出すのは、放射能関連の差別ですね。福島から避難してきた子供たちが学校でいじめにあったり、共同体などで心ない扱いを受けたりする。精神科医の斎藤環さんは、これを「現代のケガレ」と位置づけています。すなわち、古代・中世の人々がケガレを…
実際は、その人物の集める崇敬によって多様性があるでしょうが、『今昔物語集』巻20-35話に、ちょうとズバリの話が残っています。比叡山の心懐は美濃守の信頼を受け「一の供奉」と尊ばれていたが、美濃における疫病流行に際して招かれた懐国の法会を嫉妬によ…
これについては、次回以降の講義でお話ししましょう。
南北朝の時代の天然痘の初出も、恐らくは、それほど大きなパンデミックにはなっていないのではないか、と思います。戦争が相次ぎ衛生的に劣悪な情況が散発的に生じ、国家・社会機能の混乱により充分な予防や治療が受けられないとなれば、感染は拡大します。…