2015-06-05から1日間の記事一覧
岡本健一『蓬莱山と扶桑樹』(思文閣、2008年)、金子裕之『古代庭園の思想』(角川選書、2002年)、辰巳和弘『古墳の思想』(白水社、2002年)あたりが面白いでしょうか。
あります。上記でも少し述べましたが、陀羅尼(真言)などの禁呪があります。日本古代の大宝律令・養老律令でも、僧侶が仏教的呪術を行い民間で治療行為を担うことは、条件付きで許可されています。
そのような意味もあって、山林を修行しつつ、成育している植物や樹木を詳しく調べ、その性質や効能などを明らかにする本草学が発展してゆくのです。その思想的背景はなかなか厄介ですが、農耕を俗事の象徴とみる(すなわち自然環境のあり方を否定し、人間の…
六朝道教は仏教の影響を受け、これまで持っていなかった前世というものの考え方、善業・悪業の思想を発展させてゆくことになります。仏教で禁じた五戒は道教でも重んじられ、やはり殺生は最も重い罪業とされました。罪業が多くなると身体が濁ってゆき、清浄…
それ自体が生薬となり、また灸の材料としても用いられますので、辟邪の力があるものとされたのでしょう。また。蓬の根茎には、周囲の植物の発芽を促すアレロパシーという作用があるとされますが、蓬周辺の溢れるような緑が生命力の象徴と考えられたのかもし…
もちろん、いわゆる四神=青龍・朱雀・白虎・玄武は、中国から朝鮮半島を経て伝来したものです。中国文化を吸収・整理して権力に援用してきた列島文化においては、神獣という権威・権力に近い表象で、中国由来でないものを探すのは難しいかと思います。むし…
道教の起源をおおまかにいうと、老荘思想と神仙思想になります。神仙思想は、食事の節制や丹薬の精製によって不老長寿、不老不死を目指しますが、そのベクトルが医学研究、薬学=本草学研究へ繋がってゆくわけです。よって、中国の古代・中世には、医師・薬…
実証はできませんが、不老長寿を夢みた歴代の皇帝は、割合に多くの医書を集積し、読んでいたようです。秦始皇帝などはそのために方術の士を集めていますし、南北朝・梁の武帝などは、まさに陶弘景をブレーンとして尊崇していました。北宋で行われた『太平御…
食べるということが、生命維持の根幹に属する、より宇宙的な行為としてみられていたことは確かですね。例えば、日本の王権においては、土地から貢納される産物を食べることが支配の表明となり、支配領域を意味する「食す国」という言葉が生まれる。〈食唐鬼…
『法華経』提婆達多品の場合は、それほど具体的な内容ではなく、『法華経』の霊験譚、一種の奇跡譚として語られます。文殊菩薩が竜宮で『法華経』を講説すると、多くの衆生がそのことによって救済を得、なかでも8歳の龍王の娘が忽然と悟ります。釈迦の弟子…
樹種の特定には、意外と面倒なことが多いようです。かつては木目による識別がなされてきましたが、これがかなり不正確であったことは、近年だんだんと分かってきました。新鮮な状態だと識別できる木目も、数百年経った情況では不分明になってしまい、類似の…
2回目の授業で紹介された『医と病』のなかの論文で、疫病が流行した際に、民衆が医者を信用せず、むしろ悪者として私刑にあわせることがあったと書かれていました。日本でも、似たような事例はあったのでしょうか?