2015-10-02から1日間の記事一覧

レルフの没場所の考え方が、場所の呪縛という意味で肯定的に用いられていましたが、その点以外でも肯定的な概念といえるのでしょうか。

授業でもお話ししたと思うのですが、没場所について、レルフは基本的に否定的な立場を取っています。主体が空間を場所として分節できる、さまざまな繋がりを喪失させてしまうからです。束縛からの解放というのは、あくまで「そうした意味もあるので、一概に…

トポフィリアには、定義的に人間以外も含まれそうな気がしますが、どうなのでしょうか。

質問の意図を充分汲めているかどうか分からないのですが、まず「場所愛」ということですので、その愛情は基本的に空間に向けられています。その空間は、自分が環境として分節・構築したものですので、その場所にゆかりのある人物はもちろん、動物や植物、空…

トゥアンのトポフィリアは「場所への愛」ということでしたが、それもまた人を縛るもののひとつということでしょうか。 

これは、仏教の考え方を媒介するとよく理解できるかもしれません。仏教では、愛情も煩悩であると捉えます。すなわち、主体が何らかの対象に執着し、それに囚われて自由を失うからです。場所への愛着もしかりです。例えば、あなたにとって居心地のいい場所、…