2015-12-11から1日間の記事一覧

川上から流れて来たものを育てるという話が中国や日本でみられるとのことですが、『旧約聖書』出エジプト記にも、モーゼが川で拾われたというエピソードが出てきます。何か共通点はあるのでしょうか。

英雄の異常出生譚のひとつで、うつぼ船型などといわれる神話素、話型です。中空になった船に入った母子や赤子が漂着し、育てられて英雄や救世主になってゆく。モーセのほかにも、ギリシャ神話のペルセウス、中国夏王朝の建国の英雄伊尹など、数多く存在しま…

巨木がもともと生えないような場所・環境の人々にとって、自分が「植えたもの」に対する信仰はあるのでしょうか。

講義でお話ししたように、柱を樹木の代用にする文化は各地にありますが、それも樹木の生えていることが前提ですからね。しかし、現在のペットなども、人間が完全にコントロールすることができないように、ドメスティケートされた動物や植物も、完全に文化の…

人祖誕生神話などにおいて樹木や水のモチーフが多く登場し、物語の重要な位置を占めていますが、これは授業で選択的に採り上げられているからでしょうか、それとも神話全体においてそうなのですか。

もちろん、樹木や水ばかりが重要なのではありませんが、世界の神話一般のなかで、割合普遍的に語られることの多いモチーフと思います。それはやはり、水にしても樹木にしても、人間が生命を繋いでゆくうえで欠かせない存在だからでしょうね。多い地域ではそ…

地域によって信仰される樹木の種類は、何によって決められているのでしょうか。 / 人々の間に、樹木や太陽を信仰する必要がどうあったのか気になります。

この講義の初めのほうで触れた狩猟採集民の話、今回は縄文のクリの話、あるいは竹の話でも触れたように、自らの生活や生業と密接に関わる動植物が、信仰の対象となる場合が多いようです。つまり、それが世界に存在しなくては自分たちが生きられない、いうな…