2017-07-14から1日間の記事一覧
ぼくも基本的には、きちんと批判的に扱う文脈ができていない形で、とくにファッション的に優れているとか、格好がいいとか、興味本位で提示するあり方には反対です。とくに、その背景にあるものが隠蔽されたり、正当化されたりするようなもの、例えば日本に…
いえ、そんなことはありません。事実、歴史認識という意味でなら、東日本大震災より前の90〜00年代のほうが、日本の情況は現在より民主的でした。10年代、とくに東日本大震災以降、あたかも関東大震災が戦時体制を準備したことを繰り返すかのように、国権の…
「人道的」という言葉の意味、感覚が、現代とは違っていたというほうが、正確でしょうね。近代の日本社会=帝国日本においては、とにかく国権の占める位置が大きく、個人の意志や倫理よりも、そうした意味での公の価値観、秩序が優先されていたのです。帝国…
北海道大学は、1876年に北海道開拓の指導者を養成するために設けられた札幌農学校を母体に、東北帝国大学農科大学を経て、1918年に北海道帝国大学となったものです。しかし上記の「開拓」がアイヌへの抑圧を含んでいたことは授業で扱ったとおりで、例えば189…
自然科学の場合は、残念ながらその〈限界線〉は極めて低く設定されてしまっています。冷戦体制下では、東西両陣営が相手を威嚇するため、あるいは殲滅するための兵器開発に血眼になっていましたが、恐ろしいことに、その時代のほうが現代と比べ、科学の〈進…
あとの授業でも少し紹介しましたが、東学農民殲滅戦の専当部隊となった後備歩兵独立第19大隊は、当時大本営が置かれていた広島からも近い、主に四国4県から召集された兵士でした。指揮官は大隊長 南小四郎少佐、この人は長州出身で、幕末の諸戦争から伊藤博…
うーん、そういわれると、80年代以前には大規模な人間の会集が困難だった、という話になってしまいますが、もちろんそのようなことはないわけです。人間社会には種々の情報伝達の方法があり、最も原始的ともいうべき「うわさ」や「口コミ」も、情況によって…
それ以前とはまったく異なる情況となりました。現在、東北と北陸には日本最大の穀倉地が広がっていますが、これは陸羽132号の開発に端を発するものです。同米は、メンデルの法則を用いた交配によって作られた日本初の品種で、冷害に強く品質の良い亀の尾とい…
授業でお話しした、「火田民の多い朝鮮半島の北部」が現在の北朝鮮です。地図をみれば分かりますよね。
『青邱野談』は、話の枠組みは、それこそ中国南北朝時代に作成された説話を援用したものと思います。士禍を避けて山に入った人々、苛斂誅求を受けて山に逃げ込んだ人々が、どのような状態であったのかを想像した際に、その言説の枠組みが用いられたというこ…
これも高校までの授業では習わないことかもしれませんが、近世初期の山村においては幾つかの一揆が起こり、幕府によって鎮圧されています。例えば、慶長19年(1614)の北山一揆、元和5年(1619)の椎葉山一揆、同6年(1620)の祖谷山一揆です。これらの地…
妖怪のなかには、異人を妖怪化して表象する場合もある、ということですね。昨年、今年度とジャパノロジー概論でも扱ったのですが、毛むくじゃらの人間というのは蛮人表象として世界共通です。中国では夷狄、蛮人に対して用いられ、日本も早く古代の蝦夷表象…
これも授業でお話ししましたが、中国でも行われています。主に、森林の回復力が強い南方で盛んで、少数民族のなかには焼畑を行いつつ移動する集団もままみられます。九州南部から東南アジアにかけてみられる竹の焼畑は、通常の焼畑では30年かけて森林が再生…
授業でも話をしましたが、火田とは焼畑のことです。すなわち、秋から冬にかけて畑にする場所の木々を伐採し、草を刈り、これらを乾燥させておきます。冬から春にかけてこれに火を付けて焼き、残った灰を肥料にして穀物を育てるのです。