2018-07-16から1日間の記事一覧

聖武の東国行幸は、律令国家の歴史を思い出してみんな結束しよう!という、おまじないみたいなものだったのでしょうか。

『更級日記』で、『妙法蓮華経』が、女性を成仏させてくれるありがたい経典として登場していたという記憶があるのですが、いつ奈良時代のあり方から変化したのでしょうか?

上代には大陸、半島との交流が盛んであったのが、遣唐使が航海に難渋するようになったのはなぜでしょうか?

なぜ天平7年、急に天然痘が大流行したのでしょうか?

以前に特講で半年、この話をしたことがあります。『続日本紀』によると、天平7年の流行の原因は明確ではありませんが、被害が北九州の大宰府管内から始まっていること、遣唐使船帰朝後数ヶ月で大規模化していることなどからすると、やはり海外から持ち込ま…

官僚の多くが天然痘で死んでしまったとのことですが、急遽政治運営に当たる人々を決定する仕方はどんなものでしょうか。

福原栄太郎氏の研究によると、天平9年の大流行では、従五位下以上の京官の約4割弱が半年のうちに死亡しており、12月末の任官では16寮のうち9寮の長官が新任となっています。また、細井浩志氏の指摘によると、『続日本紀』中の天平10年〜天平勝宝8歳の期…

吉備真備は、阿倍内親王の立太子を正当化するために五節舞を用いたとのことですが、なぜ舞いなのでしょう。石やら鏡やらのほうが都合が良さそうですが…。

以前授業でお話ししたと思いますが、儒教では、礼に込められた社会秩序を一般社会に定着させてゆくためには、音曲によって人々の心を和す楽が必要だとする考え方がありました。これを礼楽思想といいます。日本では、大宝律令の制定によって、礼を構築するた…

女性が初の天皇になったとき、さまざまな不満が出てきたとのことですが、具体的にどのような問題があったのでしょうか。

前回の質問でもある程度は答えていますが、やや誤解があるようです。阿倍内親王=孝謙=称徳は、日本最初の女性天皇ではありません。大王としてはすでに推古、皇極=斉明がいましたし、天皇としても、持統、元明、元正が即位しています。最初であるのは「皇…

県犬養三千代が後宮において女性官僚をとりまとめていたというが、女性官僚の世界がどのようになっていたのかあまり聞かない。

奈良時代の律令官制においては、後宮十二司という女性官僚の機構が整備されています。具体的には、後宮における天皇の日常生活に供奉する内侍司、神璽・関契など天皇御用の雑物を管理する蔵司、書籍・紙・筆・墨・楽器を扱う書司、医薬に関して供奉する薬司…

藤原宮の元日朝賀に立てられた旗についてですが、なぜ月の象徴が兎になったのでしょうか?

以前にも、縄文時代あたりでお話ししたと思いますが、満ち欠けを繰り返す月は死と再生、不老不死の象徴です。ゆえに、中国ではオタマジャクシから変態するヒキガエル、冬になっても枯れない竹などが、同じ不老不死、死と再生のカテゴリーに入れられ、月のな…