2019-10-18から1日間の記事一覧

辺民に下賜された絹織物は、どれくらい価値のあるものだったのでしょうか。

清王朝が黒貂の毛皮に対して下賜した錦がどの程度だったのかは不明ですが、アムール川流域で行われた山丹交易全般においていうならば、辺民たちはかなり高価な錦織物を手に入れていました。その様子は、間宮林蔵『東韃地方紀行』の記録した、満族商人と辺民…

ホジホン・サルガンジュイの制度は、「辺民」たちの文化を王朝至上主義に染め上げてゆく機能があったのではないでしょうか。「物質的な豊かさ」と「他者への想像力」は両立しないのでしょうか?

1709年、康煕帝の命令を受けてアムール川下流までを調査したイエズス会士レジス、フリデリ、ジャルトゥたちは、ウスリ川周辺で「ウスリの貴婦人」と呼ばれる女性に会っていますが、彼女は漢語を解し、容姿も所作も周辺の辺民とは異なっていたといいます。サ…

近世・近代の帝国による征服や戦争と、グローバリズムの加速は、どちらが少数民族の社会や文化を抑圧しているのでしょうか。私は後者だと思うのですが。

これも大きな問題です。近年のネオリベラリズムとグローバリズムによる侵蝕は、現代思想の世界では、〈みえない帝国〉といわれたりしていますね。かつての帝国が行ってきた分かりやすい暴力、抑圧行為に対して、現在の帝国の支配は目にはみえにくく、意識さ…

近世の和人による北海道侵蝕と、それへの抵抗の戦いについて。なぜ和人かそうでないかということが、お互いを理解し尊敬することに対してこれほどまでに大きい障害になったのでしょうか。

大切な問題ですね。中国王朝に主催されていた東アジア世界には、まず前提として、文明/野蛮の差別構造があります(この点は、ヨーロッパも同じです)。松前藩士や和人商人らの意識の根底に、アイヌをそうした観点から卑賤視するベクトルがあったことは否定…