2019-12-06から1日間の記事一覧
釈迦が摩耶夫人の脇から生まれてくるという神話は、女性の腋下、もしくは服の袖口が生殖器の暗喩と捉えられていたことともに、女性蔑視に基づく生殖器忌避が関わるという、矛盾した情況から生み出されてきました。また、出産によって母親を苦しませない、と…
まず前提として、掲載されている類書に対する信頼性があります。歴代の『華林遍略』『修文殿御覧』『芸文類聚』『太平広記』『太平御覧』などは、王朝の正史と同様、王朝の威信を賭けた国家的事業として、あるいは勅を奉じ、唐代を代表する(場合によっては…
仏教説話については、確かにそういうパターンが多いかもしれませんね。仏教ではそもそも、復讐はまやかしの現実に束縛されている煩悩=執着に過ぎず、それに振り回されている限りは悪業をなす、もしくは悪業を振りまく結果にしかならないので、仏教的には必…
討債鬼、索債鬼の「債」とは、説話を読めば明らかなように〈負債〉のことです。よって厳密には、前世の負債を決済しなかった借り手に対し、貸し主が〈不具〉の子供になって生まれ、前世で取り立てられなかった分を今生で奪い取ろうとする存在をいいます。前…
モノをアクターと考える場合は、そのモノが他のモノ、動植物、人間などとの関係においてみせる動き、そうと認識される動きは、あくまで関係のなかで捉えられることを重視してください。これはモノだけではないのですが、あらゆるアクターのあらゆる動きは、…
いわゆるクリティカル・リーディングを意識せよ、ということだと考えて下さい。大学で実践する学問、とくに社会科学系や人文科学系の学問においては、クリティカル・リーディングは基本です。研究文献や史資料に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、…
アクターとして、本来多様な性質を持っているところを、人間が一定の目的のためだけに使用すべく、その他の要素をすべて排除してしまうのが〈素材化〉です。それは物理的な面でも、あるいは精神的、心性に関わる面でも生じえます。その結果が、確かに人間に…