考課の制度についてですが、そもそも勤務評定はなぜ六年に一度だったのでしょう。六という数に何か意味があったのですか。

 〈六〉という年数が、律令国家の基本サイクルのひとつであることは確かです。戸籍も六年に一度作られますし、班田も六年ごとに行われる規定でした。それでは六に特別な意味付けがあったのかというと、これはよく分かりません。ただ、天・地・東・西・南・北という空間を構成する要素が〈六〉なので、中国では世界を表す基本的な数のひとつであったようです。