私の地元では、家を建てる際に、屋根ができたら、家主がそこに登って餅や小銭を投げる行事があります。これも一種の木鎮めでしょうか?

建前(棟上げ)の行事ですね。列島では最も広く分布する建築儀礼のひとつです。しかし、高い場所からの餅まきは、必ずしも建築中の建物のみから行うとは限りません。初午の節句などの際に、櫓を組んでそのうえからまく場合もあります。現在の建前の場合は、新居を周辺の人々に披露し認知してもらう、という意味合いが強いようですね。共同体への組み入れという意味では、住居の通過儀礼とも考えられますが。いずれにしても、元来は木鎮めの一環を担っていたのだ(恐らくは散米に近い機能を持っていた)とは思います。