易を行う際、なぜ竹を材質とした道具を使うのですか。竹に特別な精霊が宿っているのでしょうか。

竹は、中国では、植物のなかでも特別な存在と考えられていました。類書『芸文類聚』では、「樹木」というカテゴリーのなかには入れられず、「竹」として独立して立項されています。形態的にも根を伸ばすことで個体を増やしてゆくという特殊性があり、100年ほどの周期で花を咲かせて枯れるという特徴も、人々に強く印象づけられたでしょう。中国では、その強い生命力ゆえか、桃や桑と同様に避邪の性質を持つものとされ、神仙を象徴する植物でもありました。占いに用いられるようになったのも、そうした植物信仰と無関係ではないでしょう。