街などでみかける占い師のような人は、中国にも存在したのでしょうか。手の中に宇宙を作り出すとありますが、それを道端で行うのには不信感があります。

史記』日者列伝によると、都市には、ト占を生業とする者が店を出す場所があったようです。戦国末期の「包山楚簡」からは、クライアントの将来の災禍を占いその対処法を提示する専門ト占集団の存在が推測されており、公以外のところでもト占職能者が活躍していたことが明らかにされています。なお、道や衢は精霊の往来する場所で、路上や橋上に立ってその声に耳を澄ます占いの行われたことが、『万葉集』にみえます。道は宗教的な空間なのです。