古代において、歴史書などには動物がよく出現するように思います。当時は動物と共存していたから、あるいは特別な信仰心があったからだと思うのですが、その成り立ちや理由に興味があります。

ぼくも大いに関心があります。以前に「日本史概説」で話をしたときには、動物は人間にとって自然界の多くの情報を知るためのメディア(媒介)であり、自然のなかで生きてゆくためには必要なものであった。ゆえに現在でも、親は子供にぬいぐるみやペットを与え、動物と親しくなるように無意識のうちに教え込んでいる……などと説明した覚えがあります。基本的にはその見方は変わっていませんが、動物の種類によって、人間の対応の仕方もずいぶん違う。そうした差異がなぜ生じてくるのか、個別に丁寧に考えてゆくと面白いと思いますね。