背景として、当時の令外官について知りたいのですが、律令規定にはない彼らの創設理由、またなぜ「外」であり続けたのか教えてください。

金科玉条」といわれるように、基本的に律令の条文自体は変更されません。しかし、律令に規定されている事柄は大まかなものにすぎませんし、元来中国王朝の法規定をほとんどそのままに継承した内容ですので、時代や社会に合わないことはたくさん出てきます。それらの問題は、補足修正方である格、施行細則である式の作成によって解消されます。令外官も、職員令に規定されている官職では対応できない社会の変化、天皇を含む宮廷や政治構造自体の変質に対処すべく生まれてきました。しかし、職員令に規定されていない令外官は、それが、その時代にいくら必要とされようと、恒久的な運営が望まれようと、律令自体が新しいものに全更新されない限り、「令外」ではなくならないわけです。