埴輪が手を挙げて馬を引いているということは、当時の馬も現在の馬と同じサイズだったと考えていいのですか。

日本古代の馬は、4世紀頃に朝鮮半島を通じて輸入された、モンゴル馬あたりが起源であると考えられています。東北には野生馬がいた可能性がありますが、現在の列島在来種はモンゴル馬と遺伝子的に一致するようです。サラブレッド等と比べれば小型種に属するので、大きいものとはいえません。しかし、馬のような動物をみたことがなかった列島の人々には、巨大な存在に思えたのでしょう。人物埴輪との大きさの比率、王塚などの装飾古墳に描かれた人間/馬のアンバランスな対比は、すべて古墳時代の人々の主観、馬に対する印象を表しているとみていいでしょう。