石の山丘を作るために使われた天理砂岩は、当時としては高級な石材だったのでしょうか。

古墳時代からよく使用されている飛鳥の石材として、石上山の石と二上山の石が挙げられます。高級というより、まずは加工しやすかったこと、そして宗教的な意味を持っていたことが指摘できます。二上山は飛鳥からみて太陽が沈む真西の方角にあり、冥界のある方角と認識されてきました。仏教が入ってくると、後に浄土信仰のメッカのひとつとなる当麻寺が創建されます。石上山には、王権の守護神であるフツノミタマを祀る石上神宮が営まれ、やはり神聖な領域でした。石上山の石を巡らした岡寺山にも、視覚的荘厳とともに宗教的荘厳が行われたのだと考えられます。