ドラマ『大化改新』の衣装は、冠位十二階に基づいて作られているのでしょうか。また、何を資料として復原されているのでしょう。 / 紫が最高位の色ならば、入鹿ではなく天皇が身に付けているべきではないでしょうか。

ドラマの衣装復原は、冠位十二階の制度を基本に、高松塚古墳の壁画、藤ノ木古墳出土の装飾具などから創造的に復原されています。入鹿の紫衣・紫冠は大臣の身に付ける衣装で、冠位十二階のに含まれない特別な礼冠・衣服です〔若月義小『冠位制の成立と官人組織』吉川弘文館、1998年、参照〕。大王の代替わりごとに任命される「大臣」の地位に対応するもので、大王との私的・身内的関係のなかで授受されるものと考えられています。ちなみに、大王(天皇)は秩序から屹立した存在なので、家臣の上下関係を定めるべき位階の色には規定されません。