古代においては、浄土教以外の仏教は、すべてそれ以降に受け入れられていったのでしょうか。

祖先供養に関わる浄土系の経典も早いのですが、ほぼ同時に護国三部経たる『金光明経』(後、新訳の『金光明最勝王経』が利用)『法華経』『仁王経』の依用が進み、大部を誇る『大般若経』への注目も高まりました。これらは経典の持つ哲学的な内容より、写経や読誦を通じて得られる呪術的な霊験を期待した、現世利益中心の仏教理解であったようです。