大化の薄葬令で、国家的に墓地を定めるとありましたが、国営の墓地を作ってそこにしか埋葬させないということでしょうか。

これは逆に、埋葬してはいけない場所を明確に規定するという発想ですね。例えば公道のうえ、周辺など、墓地造営が景観を悪化させることのないよう配慮しているのです。古代における景観は権力のありようと密接に結びついていて、単に美的感覚の問題ではありません。礼的秩序の維持/攪乱にも関わってきますので、支配体制の現状を顕示するものとして重要なのです。