九字護身法で、空間に目がたくさん出来て、鬼が惑わされるというのが面白かった。鬼は目の向こう側に来ようとするのですか? / 網の目状にするということは、都が条坊制によって網の目状になることと関係があるのでしょうか。

そうですね、自分に襲いかかってくる邪霊の目を惑わす、という方法です。目は古代中国から呪力の宿るものと考えられていて、戦場には「媚」という呪法を使うシャーマンが駆り出されていました。鬼霊が目に反応するのもそういう認識の反映でしょう。ところで、これと条坊制が関連するのか?という発想は意外でしたね。碁盤目状の土地区画は、もちろん面積を計算しやすくし、税収の算出や土地班給の格付けに役立てるためのものですが、都を襲撃しようとする邪霊への霊的防御の意味合いもあったのかもしれませんね。