『六道絵』には、復活した死者が赤ん坊になっている絵はみられましたが、子供の死者自体は描かれていなかったように思います。賽の河原などのイメージはいつ頃出来上がるのでしょう。

紹介しましたように、閻魔王庁幅には母を訴える赤子が描かれていますので、『六道絵』にも子供は登場します。しかし、無垢で悪業を犯していないというイメージからか、大人と一緒に責め苦に遭っている絵は出てきませんね(そういう意味では、人間の被害者である動物が地獄では処罰者へ転換するのと同じで、動物と同等に位置づけられているとっていいかも分かりません)。賽の河原のイメージは、民間信仰との融合で、中世に形成されてくるものです。