日本人は白を神聖な色とみなすようですが、珍重されている鳥の1・2位が白い鳥であるのも何か関係があるのでしょうか。

もちろん神聖な色ということはあるでしょうが、講義でお話ししましたように、やはりこの近世の時期では「穂落とし神」のイメージが強いのだと思います。穂落とし神は照葉樹林帯に共通する神話モチーフで、中国や東南アジアでは様々な鳥が当てられていますが、なぜか日本では鶴や鷺、あるいは白鳥といった首の長い白い鳥が大半を占めます。恐らくこれらの鳥が冬期に飛来し、耕作前の田を徘徊しているために、これから稲を実らせるエネルギーを与えてくれるものと理解したのでしょうが、米と同じ白さを持つことが何より重要だったのだと考えられます。