ニワトリは古墳時代から飼育が認められますが、多くは時を告げるために飼われていたと考えられています。朝を告げる聖なる鳥として、埴輪にも象られています。文献資料でその存在が語られる奈良・平安期にも、やはり食用ではなく闘技用に飼われていたこと、つまり闘鶏のために飼育されていたことが分かります。しかし、祭祀用の供物としては鶏や鶏卵の記述がありますし、『日本霊異記』では鶏卵を食べることを戒めた説話もありますので、使役用に飼いつつも、その用を果たしえなくなったものについては、肉・卵ともに食べていたのでしょう。