レポートに関する質問です。

・レポートには、表紙は必要でしょうか?……あってもなくても構いません。皆さんの美意識にお任せします。
・評価の基準は何でしょうか?……ポイントは4点あります。まず1点目は、講義の内容が踏まえられているか。別に私の話に賛成しろといっているわけではなく、批判であってももちろん構わないわけですが、ちゃんと講義を聞いて理解していることを示してほしいわけです。例えば現代の里山観については頻りに批判し、その理由も説明しているわけですが、そのことをまったく踏まえずに「里山は人と自然の共生の理想的なかたち」などと書いているレポートがあれば、問答無用で減点します。第2に、問題意識の明確さ、オリジナリティ。非常にしっかりした問題意識が語られていること、しかもテーマの切り取り方や結論が新鮮で独特なものであれば、極めて高く評価します。第3に、構成や論理展開。レポートのあるべき姿として、ちゃんと起承転結が押さえられてかどうかは重要です。エッセイのように最初から最後までだらだら論理のない文章が続いていたり、参考文献の内容を要約しただけのようなものは減点します。最後に、参考文献。とうぜん、高度なものをたくさん読んでいれば評価します(本文をみて、これはリストが列挙されているだけで読んでいないな、と判断される場合は得点になりませんが)。資料にしたものがホームページばかりだったり、簡単な新書が1冊程度だったりするとあまり好ましくありませんね。あえて簡単な方へ逃げていないか、自分の関心を明らかにするためにちゃんと必要な文献を選択しているか、そのあたりが大切です。
大化改新について調べています。ある歴史学者のホームページで、遠山氏は他からの批判によって自説を修正していると書かれていましたが、どのように変えていっているのでしょう。……うーん、意地悪なようですが、ここで回答してしまうと皆さんの勉強にならないような。最初の中公新書から刊行した『大化改新』と、最新の『蘇我氏四代』(ミネルヴァ書房)、『蘇我氏四代の冤罪を晴らす』(学研新書)あたりを読み比べてみたらいかがでしょうか。比較して、違いを見つけるだけでレポートの核になりますよ。
・レポートで熊を扱いたいのですが、イヲマンテや、神祇、農耕儀礼などと結びつけた方がいいのですか。……とくにアニミズム的なものに結びつけて論じる必要はありません。狩猟の問題は抜きにできないだろうと思いますが。