衢の話は面白かったです。交差点で邪なものを祓う必要があるとのことでしたが、現代でも交差点では事故が多いですね。古代の衢と現在の交差点には、何か繋がりがある気がします。

その通りです。交差点で事故が起こりやすいというのは重要な要素で、様々な文物が四方から行き交う交差点は、現在でも非日常の空間として認識されがちです。そうしたいわゆる境界領域では、人間は幾許かの緊張と不安を生じるもので、現代の都市伝説の多くも交差点周辺で語られています。私の住んでいる鎌倉周辺など、かつて七瀬の祓という境界祭祀が行われていた場所に、現在でも心霊スポットが重なって存在しています。過去と現在を空間が繋いでいるというのは面白いことです。