隼人が呪術的なことに長けていたなら、その起源は縄文・弥生のシャーマニズムにまで遡れるのでしょうか。

直接的な繋がりを求めるのは困難かも知れませんが、当然、列島で培われてきた宗教的知識・技術が用いられていたことは確かでしょう。現在の沖縄やアイヌに古代的な文化が多く残されていることからすれば、可能性は否定できません。弥生のシャーマニズムは鳥の恰好をした司祭によって象徴されますが、「隼人」の鳥属名称はその点と関わりがあるのかも知れません(通説的には、南方守護の神獣朱雀へ結びつけたり、異俗の言語を「鳥語」と呼ぶことに結びつけたりして解釈しますが)。しかし残念ながら、隼人自体の習俗(つまり王権・国家が押し付けたのではないもの)が明確に分かっていませんので、すべては想像ということになってしまいます。