箸墓古墳について、誰の墓なのか諸説ありますが、何か文献に基づくものなのでしょうか。

大まかにいって、崇神朝の倭迹々日百襲姫の墓とする説、卑弥呼の墓だとする説があります。前者は『日本書紀』にその旨明記されていて、後者は邪馬台国=大和説を前提に、箸墓古墳の造営年代とその大規模さから推測されたものです。『書紀』に描かれる百襲姫は神の託宣を受けるシャーマンであり、『三国志魏志東夷伝倭人条における卑弥呼の記載にも類似するので、両者は同一人物であるという見方もあります。いわゆる三角縁神獣鏡は魏から下賜された鏡だといわれていますが、「親魏倭王」の金印などが周辺で出土すれば決定的な証拠となるでしょう。