例の中では雷神や水神が多いように思うのですが、日本ではそれらの神に対する信仰が強かったのでしょうか。 / 水神や雷神が、蛇のような形に表されることが多いのはなぜでしょう。

雷神や水神が強く信仰されるのは何も日本だけではなく、多くの神話や原始信仰にみられる現象です。ギリシア神話北欧神話インド神話などでも、大体において神々のパンテオンの頂点に立つのは雷神です。それは雷の被害が極めて恐ろしいものであり、また農耕においては重要なものと考えられていたためでしょう(日本にも残っていますが、落雷を男性象徴としての雷と女性象徴としての大地の性交渉と捉え、これによって大地の豊穣が得られるという信仰が広く存在しました)。水神は雷神の弟であったり、あるいは配偶神であったり、はたまた同体であったりすることもあるようですが、やはり、農耕をはじめ人間の生活になくてはならないものだからでしょう。日本ではいずれも蛇形で表されることがありますが、雷神とは男性象徴であることにおいて、水神とは沼地などの湿地帯に住むことにおいて、同様に共通性が高いからであると考えられます。雷も多くは雨を伴うものですし、大地の豊穣のもたらし手という点からしても、水神とは親近感の高いものなのです。