和歌の贈答が始まるのはいつ頃からなのでしょう。

歌のそもそもの役割は神霊と交渉することにあったと思われますが、やがてそれが、人間と人間を結びつける手段としても使われるようになります。いわゆる「歌垣」では、男女が歌の掛け合いを行うことで、結婚相手を選びます。『風土記』には歌垣に関する地名伝承が幾つか確認できますので、少なくとも6〜7世紀頃には習俗として存在したと考えられます。中国雲南省少数民族文化には、日本の古代文化を考えるうえで重要な要素が多くありますが、歌垣も現在まで存続しています。