実をいうと基礎知識が足りず、講義の内容に付いていけません。授業で扱う分野についての、初心者向けの概説書などはありませんか。

広汎かつ専門的な領域を扱っているので、全体をカバーするような概説書、入門書はありません。古代史のプレゼミ等で「参考にしうる概説書の最新のもの」として紹介するのは、講談社の『日本の歴史』シリーズ26巻と吉川弘文館の『日本の時代史』シリーズ30巻です。前者は1冊ごとにひとりの研究者による書き下ろし、後者は複数の研究者による分担執筆です。後者は幾つかの論文が集まっている体裁なので、「読み物」としては前者の方がとっつきやすいかも知れません。この講義との関連で該当する巻は、前者が3巻『大王から天皇へ』と4巻『平城京と木簡の世紀』、後者が3巻『倭国から日本へ』と4巻『律令国家と天平文化』です。気になるところを読んでおくだけでも、ずいぶん違うと思いますよ。