草木発心修行成仏説ですが、草木が発心している証明のようなものは、どのように植物から感じ取ったのでしょう?

『往生要集』を著した源信の師匠である良源は、天台宗では、草木成仏論の喧伝者のようにいわれています。彼の説では、生命が生から死に至る四相=生・住・異・滅、植物にもあるその時々の姿が、そのまま発心・修行・菩提・涅槃を表すとなっています。すなわち、植物が種から芽を出し(生)、成長して葉を茂らせ(住)、しおれ枯れてゆき(異)、死に至る(滅)ありのままの姿が、仏になる過程なのだというのです。これは、現実の世界そのものが仏の真実の姿だと捉える、本覚論の特徴を持っています。究極的な現実肯定ですね。