軍馬と民生用の馬とは育て方も違うと思うのですが、馬を家畜にするという知識はどこから入ってきたものでしょうか。また、民生用の馬の使用が一般化したのはいつ頃からでしょうか。

日本列島に馬がもたらされたのが古墳時代(五世紀頃)で、その飼育法や乗馬法も、多く半島や大陸からもたらされたものと考えられます。馬の飼育にあたった氏族として、馬飼(養)部や臣・造姓の馬飼(養)氏が記録にみえます。牧は馬の交配・出産管理が役割で、乗用に適するものが中央へ送られ、軍事や交通に用いられました。軍馬としての調教は、各地の牧を領地として持つ左右馬寮が担っていました。この他、賀茂社などでは祭祀に馬を用いていることがみえますので、有力氏族のなかには独自の牧・調教機関を持つものも存在したと思われます。それらが国家によって徴用されることもあったでしょう。