滋賀の竹生島にも神社が存在しますが、沖ノ島と比べて、人工の有無や面積の大小など相違があります。島の面積という要素は、神自体の力を示すポイントになったのでしょうか。

それはケース・バイ・ケースだと思われます。神々の宿る自然物のいかなる要素を神的とみなすかが、それぞれの神の力の大きさへ結びついてきます。例えば、巨大さに神聖性を認めて神の坐すとみなされた山と山ならば、同じ基準で力の大小を比較することが可能ですが、例えば一方が緑の豊かさを神聖視したものであったなら、大きさだけで比較することはできないでしょう。ちなみに、沖ノ島厳島も市杵嶋姫を祀っていますが、同神は神仏習合のなかで弁財天と同一視されてゆきます。竹生島も、弁財天と一体である市杵嶋姫命を主神としていますが、元来は同島独自の神を奉斎していたものが、沖ノ島等々の形式を導入して改変したものかも分かりません。