律令に関心を持ちました。例えば政治犯の審議などどのように行うのか、規定や記録は残っているのでしょうか。

いろいろ残っています。例えば君主に対する謀反などは、賊盗律の謀反条に、「凡そ謀反及び大逆せらば、皆斬。父子、若しくは家人・資財・田宅は、並に没官。年八十及び篤疾は、並に免せ。祖孫・兄弟は、皆遠流に配せよ。…」などと詳しい規定が出ています。しかし、実際はかなり恣意的に運用されたようで、国史に残る罪人の処断例を逐一チェックしてゆくと、律の規定通りに行われていない場合が多いのです。詳しく知りたい人は、吉田一彦氏の「日本律の運用と効力」1〜4(『名古屋市立女子短期大学紀要』45、48、50、『名古屋市立大学人文社会学部研究紀要』3、1990〜97 )を参照してください。