僧尼に関する法律が「令」に組み込まれたのはなぜでしょうか。

まずは、日本古代国家の法典理解が充分ではなく、唐王朝のように格式を連動させて編纂することができなかったのが原因でしょう。しかし、天武朝以降、仏教界と僧侶の存在は国政上極めて重要になっていたので、彼らの行動を規制し王権に従属させる必要があった。そこで、唐では格として出されていた僧侶関係法令を令としてまとめ、速やかに仏教界へ通達したものと考えられます。その内容は唐の道僧格のほぼ直訳で、禁止事項や罰則規定が多く、令というよりは律に近い内容となっています。仏教の戒律も踏まえられていますので、当然といえば当然かも知れませんが。