神聖なものは河上から流れてくるという発想は、天にいる神に近い場所ということなのでしょうか。

この場合の神聖なものは、天神/地祇の区分でいうと地祇なんですね。ですから、雷神として天にあっても、それは地上の領分でいわゆる高天の原には由来しない。川上から神が流れてくるのは、その源流たる湧水点、あるいは山が神のある場所として聖別されていたからです。こうした発想は、中国の神仙思想などに由来する可能性もあります(例えば、川上の洞窟のなかにユートピアが広がっているという桃源郷伝説など。桃太郎は明らかにこれからの影響です)。