神格の移動など、豪族レベルで勝手にやってしまってもいいのでしょうか。天皇家はどの程度管理できたのでしょうか。

王権が各氏族の「神」までをとりあえず把握しようとするのは、天武から元明にかけての国史編纂が最初で、このとき初めて神統譜も作成されたようです。しかし、その目的は氏族におけるウジ・カバネの混乱、すなわち王権との関係の来歴の捏造を正すためで、その点に関わらなければ細かな神の統制は行われませんでした。仏教の場合もそうですが、古代における宗教統制は意外にルーズであったようです。