祓の具体的な方法を教えてください。 / 人面墨書土器はどのような身分の人が作っているのでしょう。

土馬や人面墨書土器を使う方法はお話ししましたが、基本的には、祓具に穢れを付着させて流すのが一般的であったと思います。6月・12月に天下の罪・穢れを一掃する大祓では、根こそぎ刈り取った罪・穢れを川、海の神々が運搬して根の国・底の国まで破棄し滅却してしまうという祝詞が読まれます。現代日本人の「自然への甘え」に繋がっているようで嫌なのですが、川は根の国まで繋がっているという認識があり、それ故に祓具を廃棄したのでしょう。墨書土器の製作については、人面を墨書するという行為が呪術なのであり、土器自体は日常生活具として作られたものを用いたと考えられています。土馬や人形は呪者・祭祀者が一から製作したと思われますが、人面墨書土器の場合、彼らが施したのは墨書のみであったと思われます。