当時、死者を火葬するのには多くの手間暇がかかったといいますが、長屋王と子供たちの屍骸を「焼き砕いて河に散らし海へ流し」たというのは、案外王への敬意の表れだったのではないでしょうか。

丁重に扱おうとすればそれなりに手間がかかりますが、廃棄する前提で火葬にするなら簡単です。人体にもずいぶん脂分がありますので、ある程度火がつけばよく燃えるのです。中国雲南省少数民族では、今でも村の傍らの畑で死者を火葬にしています。