祭署でなくとも、仏教の法要でも共通することですが、読経の際に「叩き物」の楽器を用いることが多いように思います。「叩く」という行為は、読経に際しどのような意味を持ったのでしょう。

そうですね。まず今日の東巴経の太鼓のように用いるものには、仏教の木魚(真宗ではかわりに節拆という拍子木を用いる)などがありますが、これは拍子を取るためのものです。他には東巴の銅鑼のように、歌謡の節目節目に為らす大小の鏧や磬といった叩きものがあります。しかしこれらは神招きに用いるというより、歌謡のための実際的用途に沿う場合が多いですね。日本の場合、神招きの代表的楽器は琴で、これは弥生時代にまで遡ることができます。