昔の人は、外国人とどのようにコミュニケーションをとっていたのでしょうか。最初に中国語を日本語に翻訳した人は、どのように訳したのでしょう?

うーん、それは難しい問題ですね。まず、最初というのがいつなのか。列島固有の言語がいつ頃成立したのか。そのあたりの問題は厚い霧の彼方です。分かっている範囲でいえば、6〜7世紀に使われていたヤマト言葉には、現在は失われてしまった音韻が多く存在し、朝鮮の言葉に近かったと考えられています。半島から渡ってきた人々も多く存在しましたから、一定のコミュニケーションは可能だったのでしょう。初期の古代国家においては、各種渡来人の一部は、「曰佐(訳語、オサ)」という姓を持つ世襲的通事に編成されていました。7世紀後半以降は、留学生などとして大陸や半島に渡った人々が通事の職務を引き受けるようになります。