現在でも、狩猟採集社会で動物を殺す度に儀礼を行う地域はあるのでしょうか?

すべての殺害の場合に儀礼を行うかというとずいぶん少なくなるかも知れませんが、例えば狩猟に際して行う祭儀や呪いは現在の日本列島にも存在します。いつか映像でおみせしたいと思いますが、例えば高知県の山深い土地にある物部村という集落では、狩猟で得る獲物を山神から譲り受けるため、その肝を捧げる呪いなどが実践されています。北アメリカの狩猟採集民チペワイアンは、北米産トナカイのカリブーを狩猟することで生活していますが、それらは現在もカリブーの王が届けてくれるものと信じているので、王への謝礼の祭儀は欠かさずに行うものと思います。こういった事例なら、世界中に数え切れないくらい残っているでしょう。